北海道の日々

2月27日、私は食後の電気ブランを舐めていた。彼の太宰治が『人間失格』で「酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはない」と書いた通り、悪酔に向いている名酒である。40度の黄金色は、現実から飛び立つエンジンそのものだ。飽きもせず舐め続けていると、ふと我が使命が浮かんだ。そうだ、俺は旅に出なければならない!電気ブランの瓶が「そうだ、ここを出ろ」と叫んでいる!

横で金麦を飲んでいた母に私は「旅行に行きます」と伝えると、母は新しい金麦を開けながら「それなら北海道は?」と言った。母の素晴らしい点は、とにかく話が早いところである。無収入の娘がへべれけになりながら阿保を言っても、彼女は「確かにそうだ」と言わんばかりに賛成してくれるのだ。本当は「死ぬまでに行きたいリスト」のNo.2神戸を思い浮かべていたのだが、確かに北海道は名案だ。北海道は父が単身赴任している場所なのだが、彼は4月には東京に戻る予定になっていた。2015年も北海道に行ったのだが、単身赴任のアパートに泊まったので宿代がかからない。宿代もかけず、安く行けるのは今しかない。なるほど名案である。

話をして10分後にはPCを開き、60分後には全ての日程表と運賃を調べ、宿先の父に承諾を得ていた。私は自身がアクティブ検定2級保持者の自信があるのだが、流石にこの素早さには己ながらビビる。悪く言えば馬鹿である。

翌日28日にはチケットを支払い、急遽北海道へと行くこととなった。恋人は「随分急だね」と驚きのLINEをくれた。そうだ、電気ブランがまさか飛行機のエンジンにもなるとは私も思いもよらなかった!

 

こうして私は3月3日から7日までの4泊5日、北海道旅行へと旅立ったのだった。